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40年ぶりの音信。 [人]

かつて私は東の最果て納沙布岬に6年半の間、お世話になっていた。
一歳に満たない長女と身重の妻を連れて、海霧が深い夏の岬に立った時はただただ、何とかなる、
ここを足掛かりに跳べば良いと心を定めていた。
頼りは、札幌の歓楽街すすきの「スペイン酒場Toshi」で出会っていた『さいはてさん』だけだった。
夏場は信じられないくらい忙しいんだ!いつでもおいでとの言葉だけが支えだった。
終着でバスを降りると、確かに最果てであった。
出迎えてくれた『さいはてさん』は意義深い歴史ある休憩どころの店長さんであった。
社長の『セーゾー』さんと、ダンディな『カワバタサン』みんなが大歓迎で大きなカニで歓待してくださった。
そして、根室の日々が始まった
夏が終わって、晴天が続く秋がやってきて、多くの方々の計らいで公営住宅長屋に入居が決まり市民となった。
そのお店には、夏の繁忙期に泊まり込みで大学生たちがアルバイトにやってきた。
そして、私が二回目の夏を迎えた時から年を連ねて、福井の学生が続いた。
『ナベ』『ツネちゃん』『山ちゃん』『ハクハタくん』『ヤマダくん』・・・みんな元気で、
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こちらが泊まりの当番の夜は北方領土の水晶島あたりが白々と、あるいは美しい朝焼けを伴って明けてくるまで遊び、話、つるんだ。こちらも26歳くらいにやんちゃだった。
学生ではなかったが、不思議な自衛隊上がりの『正憲』や、修行を経て腕を上げたシェフの『タカハシくん』もいたなぁ。そして、地元のアルバイト女子諸君。賑やかな日々。
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しばらくは、学生諸君と音信もあったがやがて自分は札幌に帰郷し、
心のふるさと根室は遠くなりにけり。全く、音信は途絶えて。
古いアルバムの写真を見るとみんなどこでどうしているのやら。


私は、ホームページを作り、ブログを始めた時(2000年ころ)から、本名を使ったり、過去の話題を積極的に取り上げてきた。きっと誰か、そう、もう会えなくなってしまった『あの頃』の誰かが見てくれると思って。
息せき切って駆け抜けた10代のラストスパート。『黒・コ』の時代のReyさんとユー坊。
すすきののはずれで過ごした『スペイン酒場と仏蘭西市場』の仲間たち。ター坊はどうしただろう。
あの頃の、喫茶「アメリカーノ」=「犬狼都市」の二日酔いの朝野球の仲間たち。

そして、先週、FBにメッセージが届いた。
40年ぶりの『ナベ』ちゃんから。
もう彼も60歳が近い。(笑)
そしてあの頃の学生だった面々がみな元気にしていると知った。うれしい限りである。
根室の皆さんは健在だろうか。
こんなこともあった。
こんなこともできた。
それにしても時がとてつもなく流れた。
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JUNKO

糸が切れずにつながっていたのですね。嬉しいことです。一気に時間が短縮することでしょう。
by JUNKO (2017-09-14 22:00) 

engrid

つながっていましたね、そしてつなげましたね
嬉しい、皆様元気で、笑顔がこぼれますね
by engrid (2017-09-15 18:01) 

そらへい

懐かしいともたちとの糸がたどれて良かったですね。
訪ねたり再会出来るといいですね。
都会の渦の中で、ほんの束の間だけど、いっしょに時を過ごした
名字しか覚えていない懐かしい人たち、
今頃どうしているのかと思いますが、
たどる術がありません。
by そらへい (2017-09-15 21:02) 

sigedonn

>JUNKOさん、おばんです。
なかなか、濃い時間を共に過ごしたので懐かしいです。

by sigedonn (2017-09-15 23:25) 

sigedonn

> engridさん、こんばんは。
元気でいてくれたのがうれしいですね。
思わぬ人が社長さんやってるとかの情報もありました。
あの、20歳ころからは想像できません。(笑)
by sigedonn (2017-09-15 23:27) 

sigedonn

>そらへいさん、こんばんは。
そうですね。
トーキョー。あそこで出会った人たち、私の本名もわかっていない人たち。
こちらも、あだ名しか知らない。
不思議な街でした。
アパッチはどうしているだろう。JINくんは?ってな感じです。

by sigedonn (2017-09-15 23:31) 

山子路爺

「40年ぶり……」の題を見て、その頃いくつだったかなぁと指を折って見ました。多分職場にも慣れた頃で有給も取りやすくなったので、GWに10連休をとって、ポンコツのブルーバードをフェリーに乗せて北海道をおとづれていた頃かなぁ。峠が残雪で通れなかったり、湖のキャンプサイトが雪解けの増水で湖底に沈んでいたりと神奈川県とのギャップにびっくりでした。あの時の様に、なんの計画もなくフラフラと旅したいものです。

by 山子路爺 (2017-09-16 13:51) 

sigedonn

> 山子路爺さん、あるあるです。
私が納沙布にいたころも、GWに海面が砕けた流氷で
一面真っ白。観光客の皆さんは内地とのギャップに喜んでました。
ふらふらとヒッチで九州まで行きたいもんです(笑)
by sigedonn (2017-09-16 17:24) 

imarin

懐かしい佳き写真ですね。
そしてムチャしても何とかなった時代。(今でもなんとかなるのかな?)
SNSは問題もあるけれど、懐かしい人と再会できたり、
SNS無ければ繋がれなかった仲間とか、やはりあって良かったなと思います。
by imarin (2017-10-11 11:36) 

sigedonn

>imarinさん、こんにちは。
SNS、昭和の27年生まれには本当に便利なツールです。
白黒テレビが家庭にやってくる現場に居合わせ、
黒のダイヤル電話を近所に借りていた時代を生き、
10円玉いっぱいを抱えて公衆電話で長距離通話した世代、
相応しい使い方で恩恵にあずかりたいものです。
by sigedonn (2017-10-15 17:18) 

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